私の家は山の向こう

日本

「私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実」を読みました。

「私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実」

(著者)有田芳生 (出版社)文藝春秋:文春文庫

「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」などのヒット曲で愛された歌手テレサ・テンが旅行先のタイで急死してから十余年。スパイ説、中国政府の罠、天安門事件との繋がり…残された謎の数々。本当の死因は何だったのか?中国と台湾の現代史の狭間で翻弄されながら歌に生きた「アジアの歌姫」の真実。(「BOOK」データベースより)

歌手としか認識していなかったテレサ・テンさんが、中国の民主化運動を支援していたことを、本書を読んで初めて知りました。本書の題名にもなっている「我的家在山的那一邊」(私の家は山の向こう)という歌は、中国天安門事件に抗議する形で行われた香港での野外コンサートでテレサ・テンさんが歌った歌だそうですが、本書を読んでぜひ聴いてみたいと思いました。偶然見つけたYouTubeの野外コンサートの映像で、テレサ・テンさんは、スローガンの書かれたTシャツを着て、プラカードを首から下げ、鉢巻を締めて歌っていました。華やかな歌番組の中の人とはまったく違う姿でしたが、感情がこもっていて、胸を打ちました。