たった一人の再挑戦

日本

「たった一人の再挑戦―50代早期退職者の行動ファイル」を読みました。

「たった一人の再挑戦―50代早期退職者の行動ファイル」

(著者)加藤仁 (出版社)文藝春秋:文春文庫

あなたは会社退職後のセカンドプラン、具体的に考えていますか?充実した定年後を過ごすために準備するに早過ぎることはない。本書には一流企業を早期退職した四十人余りのセカンドライフの在り方が掲載されている。海外雄飛、福祉、起業etc.あなたが想像しうる会社人間以降のヒントが必ずあります。(「BOOK」データベースより)

自分自身としては、宝くじかTOTOが当たったら、早期退職して趣味や旅行を楽しみつつ地域の役に立てるような暮らしをしたいなどと、まずはありえないことしか考えていない、つまりこれから先のことを何も考えていないというのが現状です。本書は、夢を実現させるために早期退職した、あるいは図らずも早期退職をすることになった多くの方の生きざまをレポートしたものですが、現実は考えている以上に厳しい、というのが正直な感想です。もう少し真剣に、そしてもう少し具体的にこれから先のことを考えないと・・・

死体は知っている

日本

「死体は知っている」を読みました。

「死体は知っている」

(著者)上野正彦 (出版社)角川書店:角川文庫

ゲーテの臨終の言葉を法医学的に検証し、死因追究のためとはいえ葬式を途中で止め、乾いた田んぼでの溺死事件に頭を悩ませ、バラバラ殺人やめった刺し殺人の加害者心理に迫る…。監察医経験三十年、検死した変死体が二万という著者が、声なき死者の声を聞き取り、その人権を護り続けた貴重な記録。(「BOOK」データベースより)

個人的には、「ゲーテの言葉」「魂の重さ」「二人の真犯人」の話が印象に残りました。

死体は生きている

日本

「死体は生きている」を読みました。

「死体は生きている」

(著者)上野正彦 (出版社)角川書店:角川文庫

変死体を検死していくと、喋るはずのない死体が語り出す。「わたしは、本当は殺されたのだ」と。死者が、真実の言葉で生者に訴えかける!突然死や自殺か他殺か不明の変死体を扱って34年。元東京都監察医務院長が明かす衝撃のノンフィクション。(「BOOK」データベースより)

「死人に口なしと言うけれど、丹念に死体を観察すれば、死者は真実を語りだす。死者ほど雄弁なものはない。」という著者の言葉が印象的でした。

流転の王妃の昭和史

日本

「流転の王妃の昭和史」を読みました。

「流転の王妃の昭和史」

(著者)愛新覚羅浩 (出版社)新潮社:新朝文庫

日本が戦争の泥沼におちいりつつあった昭和12年、旧侯爵家の長女だった著者は、軍部の仕組んだ政略結婚をあえて受け入れ、満州国皇帝の弟に嫁いだ。日中の架け橋として健気にその務めを果たしながら、戦後は夫と離ればなれに動乱の満州を流浪。そして16年をへて再会。国際結婚による民族風習の違い、その後の激動する境遇の障害を乗り越えて夫婦の愛を貫いた一人の女性の感動の一生。(「BOOK」データベースより)

ラストエンペラー愛新覚羅溥儀に弟(愛新覚羅溥傑)がおられることまでは知っていたが、その弟に嫁いだのが日本人であったことを、今回、本書を読んで初めて知りました。この平和な世の中に暮らしている自分には想像もできないくらいの艱難辛苦を乗り越えてきた著者の言葉は、このうえなく重くこの身に響きました。

私の家は山の向こう

日本

「私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実」を読みました。

「私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実」

(著者)有田芳生 (出版社)文藝春秋:文春文庫

「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」などのヒット曲で愛された歌手テレサ・テンが旅行先のタイで急死してから十余年。スパイ説、中国政府の罠、天安門事件との繋がり…残された謎の数々。本当の死因は何だったのか?中国と台湾の現代史の狭間で翻弄されながら歌に生きた「アジアの歌姫」の真実。(「BOOK」データベースより)

歌手としか認識していなかったテレサ・テンさんが、中国の民主化運動を支援していたことを、本書を読んで初めて知りました。本書の題名にもなっている「我的家在山的那一邊」(私の家は山の向こう)という歌は、中国天安門事件に抗議する形で行われた香港での野外コンサートでテレサ・テンさんが歌った歌だそうですが、本書を読んでぜひ聴いてみたいと思いました。偶然見つけたYouTubeの野外コンサートの映像で、テレサ・テンさんは、スローガンの書かれたTシャツを着て、プラカードを首から下げ、鉢巻を締めて歌っていました。華やかな歌番組の中の人とはまったく違う姿でしたが、感情がこもっていて、胸を打ちました。

歌謡曲の時代

日本

「歌謡曲の時代―歌もよう人もよう」を読みました。

「歌謡曲の時代―歌もよう人もよう」

(著者)阿久悠 (出版社)新潮社:新潮文庫

「勝手にしやがれ」「あの鐘を鳴らすのはあなた」「ペッパー警部」…。今も人々が口ずさむ、五千を超すヒット曲を作詞し、平成十九年に世を去った阿久悠。「歌謡曲は時代を食って巨大化する妖怪である」と語った稀代の作詞家が、歌手との思い出、創作秘話、移り行く時代を、鋭く、そして暖かな眼差しで描く。歌謡曲に想いを託し、日本人へのメッセージを綴った珠玉のエッセー。(「BOOK」データベースより)

こんな時代でも、歌謡曲と呼べる歌があってもいいじゃないか。いや、こんな時代だからこそ、歌謡曲と呼べる歌が生まれてほしい。こう考えるのは、「ないものねだり」なんでしょうか、やはり。

昭和天皇の妹君

日本

「昭和天皇の妹君―謎につつまれた悲劇の皇女」を読みました。

日本  「昭和天皇の妹君―謎につつまれた悲劇の皇女」

(著者)河原敏明 (出版社)文藝春秋:文春文庫

昭和天皇に隠された妹君がいた!この衝撃的な「三笠宮さま双子説」の真相を確かめるべく、皇室関係者百人近くに取材、月刊誌・週刊誌・TVで公表してマスコミの話題になった著者が、その後も調査を続け、「妹君」のおられる奈良円照寺を訪ね、面会もした上で、その検証の全てをまとめた。ミステリーの謎解きのようなドキュメント。 (「BOOK」データベースより)

双子にまつわる俗信・迷信のことは、本書を読んで初めて知りました。また、「妹君」云々のことも、同様です。できればそっとしておいてあげてほしかった、発表するにしても「妹君」とされる方の死後にすべきではなかったか、と思います。ジャーナリズムとプライバシーの関係とか、難しいことはわかりませんが、ジャーナリストとしての使命よりも人間としての気遣い・配慮を優先すべき場合もあるのではないかと思いました。

四人はなぜ死んだのか

日本

「四人はなぜ死んだのか―インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」」を読みました。

「四人はなぜ死んだのか―インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」」

(著者)三好万季 (出版社)文藝春秋:文春文庫

中学の夏休みの理科の宿題で、和歌山の「毒入りカレー事件」を取り上げた15歳の少女は、インターネットを駆使した調査と綿密な分析によって、やがて驚くべき結論に辿り着く―「犯人は他にもいる」。文芸春秋読者賞を史上最年少で受賞、「天声人語」他各紙誌で絶賛を浴びた話題作。著者の「その後」を描く書き下ろしも収録。(「BOOK」データベースより)

中学生が書いたとは思えない文章表現に驚かされ、知らないこと・わからないことを徹底的に調査する熱意と行動力には感心させられました。内容は・・・ 著者にそんなつもりはなくても、「あと出しじゃんけん」って言われるのは仕方のないことなのかもしれません。